入れ歯が合わないときは

入れ歯にもいろいろな種類があり、中にはとても丈夫であまり目立たないものもあります。ただし作り物ですので、どんなに良いものでも一生涯使えるというわけではありません。
これまでに他の歯科医院で高級なものを作ったという方も、作り替えが必要なことはあります。

合わない入れ歯を無理に使い続けていると残っている他の歯にまで悪影響が出てくることがありますので、早めにご相談にいらしてください。
もちろん、作り替えなくても、修理や調整だけで現在の入れ歯を引き続きご利用いただけることもございます。

以下のようなお悩みはありませんか?

  • 入れ歯がしょっちゅう外れてしまう
  • 食べ物をうまく噛めない
  • 会話がしづらい、食事が困難
  • 入れ歯を入れると痛みを感じる
  • 入れ歯が目立つ
  • 入れ歯に不快な臭いがつく
  • 頬や舌を噛んでしまい、口内炎がよく起こる

保険診療と自費診療の違い

義歯や入れ歯の治療には「保険診療」と「自費診療」の2つの選択肢があります。

まず、「保険診療」による入れ歯は、国が定めた基準に基づいた治療です。この方法では、日常生活に支障をきたさない程度に歯の機能を回復することが目的となります。費用は、患者様が負担する割合が1〜3割と低く抑えられますが、使用できる材料や治療にかけられる時間に制限があります。そのため、入れ歯の仕上がりや快適さには限界があります。

一方、「自費診療」の入れ歯は、保険適用外の治療となり、装着感や機能性、審美性においてより高いクオリティを目指したものです。費用は高額になるものの、患者様の生活習慣や要望に合わせた柔軟な治療が可能となります。材料や治療法に制限がないため、見た目や快適さを追求した入れ歯を作ることができます。

「保険診療」と比べて、自費診療では自由度が高いため、時間と費用がかかりますが、その分、患者様の満足度の高い治療が提供できる点が大きな魅力です。

保険診療と自費診療の入れ歯のメリット・デメリット

メリットデメリット
保険診療●治療費の負担が少ない
●入れ歯か完成するまでの手順が簡略化されているため、通院回数や治療期間が短く済む
●プラスチック素材が使用されているので、修理が比較的簡単
●プラスチックのみを使用した入れ歯のため、装着時に違和感や不快感を覚えることがある
●食べ物の味を感じにくく、食事を楽しむ感覚が少し損なわれることがある
●強度や耐久性に限界があり、使い続けるうちに擦り減ったり変色が進んだりして、破損するリスクがある
自費診療●使用できる素材の選択肢が豊富で(金属製、シリコン製、メタルフリーなど)、個々のニーズに合ったものを選べる
●天然歯と同様に食事を楽しめる
●周囲に気づかれにくい
●強度や耐久性が高いため、変色や変形、破損リスクが低い
●費用負担が大きくなる
●細かな調整や丁寧な作製が求められるため、完成まで時間がかかり、通院回数が多くなる
●修理が困難なケースがある

治療の流れ

問診・カウンセリング

各患者様に合った適切な入れ歯を作製するため、最初に問診とカウンセリングをしっかり行い、お悩みの点やご希望、生活習慣などを詳しくお聞きします。さらに、検査によって口腔内の状態を把握したうえで、治療経過の策定に進みます。

その後、次回のご来院時に、ヒアリングした内容をもとに、どのような入れ歯が最も適切で効果的かを詳細にご説明いたします。また、治療にかかる費用の見積もりもその際にお伝えいたします。 ※むし歯や歯周病を発症している場合、先にそれらの治療を優先します。治療が終わった後、入れ歯の作製を開始します。

歯と歯茎の型取り

最初に、既成のトレーを使用し、歯と歯茎の型を取ります。

各患者様合ったトレーの製作

最初に取った型をもとに、患者様のお口に適したトレーを作製します。

精密な型取り

患者様専用のトレーを使用し、筋肉の動きまで正確に再現できるように型を取ります。この工程は非常に手間がかかりますが、噛みやすい入れ歯を作りために欠かせない作業です。 患者様の顎にぴったりとトレーを合わせた後、顎周りの組織の微細な動きや、唾液を飲み込む動作、舌の動き、吸引など、あらゆる動きを正確にトレーに反映させます。これにより、実際の口腔内の動きにぴったり合った型が完成します。その後、型に石膏を流し込み、精密な模型を作製します。この模型は、患者様の顎や歯茎、粘膜などの状態を忠実に再現したもので、ここから入れ歯の製作に入る重要なステップとなります。

み合わせ

完成した型をもとに土台を作製し、それを使って噛み合わせを慎重に採取します。噛み合わせ1つで、入れ歯の着用感や噛み心地が大きく変わり、痛みの有無や、食べ物をしっかり噛めるかどうかにも影響します。実際、噛み合わせが正しくないと、口腔内の状態だけでなく、肩こりや頭痛など、全身の健康にも支障をきたすことがあります。こうした理由から、噛み合わせは入れ歯作製において非常に重要な要素となります。必要に応じて、何度も噛み合わせを確認し、調整を行いながら、最適な状態に仕上げていきます。

歯並びの仮合わせ

前のステップで採取した噛み合わせをもとに、人工歯を並べていきます。入れ歯の装着感や噛み合わせ、歯並びの3つの要素に特に注目して、最適な状態に仕上げていきます。歯の出具合や並びについては、患者様の好みを反映させるため、遠慮なくご意見をお聞かせください。歯並びに関しては、場合によっては何度も確認を重ねることがありますので、ご安心ください。

入れ歯完成

入れ歯が完成したら、実際に患者様のお口に合わせて調整を行います。この調整を通じて、入れ歯がより快適にフィットするように仕上げます。その後、入れ歯のメンテナンス方法や保管方法、日常的なお口のケアについて丁寧にご説明いたします。

調整

入れ歯は、ただ装着している時と食事をしている時では、動きに違いが生じます。特に新しい入れ歯は歯茎に馴染んでいないため、使用して頂きながら問題点を確認し、調整を重ねていく必要があります。痛みが出る部分や噛み合わせの調整を行うことで、「痛みのない入れ歯」や「安定した入れ歯」を作り上げていきます。調整の回数は人によって異なりますが、一般的には3~4回程度の通院が必要です。

定期検診(メンテナンス)

体調が変化するのと同じように、口内の状態も日々変化しています。入れ歯を長持ちさせ、快適に使い続けるためには、定期的な診察と適切なメンテナンスが欠かせません。こまめにメンテナンスを行うことで、入れ歯の寿命を延ばすことができます。調子が悪いと感じる時だけでなく、調子が良いときでも3~6ヶ月に一度は診察を受け、入れ歯の状態を確認しましょう。

入れ歯の種類

レジン床の入れ歯

土台部分がレジン(プラスチック)で作られている入れ歯で、保険診療で製作することができます。ただし、厚みがあるため違和感が出やすく、見た目も気になりやすいという特徴があります。

金属床デンチャー

金属を使うことで、薄く丈夫な入れ歯を作ることができます。装着感が良いのはもちろん、熱が伝わりやすいため飲食物の温度を感じられる、汚れがつきにくいといったメリットもあります。

シリコンデンチャー

お口の中に装着する土台部分が柔らかいシリコンでできており、装着感が良く痛みが出にくくなります。そのため、噛める強度も高くなります。

ノンクラスプデンチャー

通常の部分入れ歯には金属のバネが付いていますが、それがないためお口を開けても入れ歯を使っていることがほとんどわかりません。

マグネットデンチャー

入れ歯と残っている歯の根っこに磁石を埋め込み、その力で装着させます。取り外しがしやすく、目立ちません。

コーヌスクローネデンチャー

茶筒のように、金属の筒のようなものをはめ込むことで固定する入れ歯です。お口の中で安定させることができ、見た目も自然に仕上がります。

入れ歯についてよくある質問

Q.入れ歯の使用期間はどれくらいですか?

入れ歯は、3~5年を目安に修理や交換を行うことが多いです。入れ歯が緩くなった、摩耗してきた場合は早めにご相談ください。

Q.入れ歯を長く使い続けるために気を付けるべきことは何ですか?

定期的にチェックを受け、入れ歯やその土台となる歯をしっかりとケアすることが重要です。食後には入れ歯を取り外し、清潔に保つために洗浄し、またご自身の歯もきちんとブラッシングしてください。汚れや細菌の蓄積を防ぐことで、入れ歯の寿命を延ばすことができます。

Q.入れ歯の作製にはどれくらい時間がかかりますか?

入れ歯の作製期間は、患者様の口内の状況によって異なります。じっくり時間をかけてしっかりと作製するため、早急な仕上がりを希望する場合でも、十分な準備が必要です。まずはカウンセリングを行い、治療にかかるおおよその期間をご案内しますので、お気軽にご相談ください。

Q.入れ歯をしていることがバレないようにできますか?

天然歯に近い色合いのセラミックやメタルフリー素材を使用することで、装着したことが目立ちにくい入れ歯を作ることができます。また、お口の形や顔の特徴に合わせた歯並びに調整するため、周囲に気づかれずに自然に見せることが可能です。当院では、日常生活でも入れ歯だと気づかれにくいよう、見た目にも配慮しています。

Q.就寝時は入れ歯を外す必要がありますか?

夜間も噛む動作が行われるため、特に部分入れ歯の場合、装着しておくことが残っている歯に余計な負担をかけず、より安定した状態を保つために有益です。当院では、就寝中にも入れ歯を装着することを推奨していますが、誤って飲み込む恐れがない場合に限ります。定期的なメンテナンスを受けている場合、当院で作製した自費の入れ歯は就寝中も装着し続けることが可能です。

Q.インプラントと入れ歯、どちらを選べば良いか決めかねています。違いを教えてください。

インプラントと入れ歯にはそれぞれメリットとデメリットがあり、患者様の歯の健康状態やライフスタイルによって最適な選択肢が異なります。治療の費用や期間、効果の違いもあるため、じっくりお話を聞きながら最適な治療法を決めることが重要です。カウンセリング時に、詳細にアドバイスいたします。

Q.入れ歯の洗浄はどのくらいの頻度で行いますか?

毎食後に洗浄を行うことが望まれますが、忙しい時でも1日1回は必ず取り外して洗浄してください。特に、つけおき洗浄を行う際は、毎回洗浄液を新しく交換することで、効果を最大限に引き出せます。清潔を保つことで、入れ歯の寿命も長くなります。

南与野のいわね歯科クリニックの基本情報

医院名

いわね歯科クリニック

住所

〒338-0832 埼玉県さいたま市桜区西堀10丁目11−38

電話番号

048-753-9045

最寄り駅

JR埼京線 南与野駅 徒歩6分